忍者ブログ

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

リンク

カテゴリー

フリーエリア

最新CM

最新記事

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

バーコード

RSS

ブログ内検索

アーカイブ

最古記事

P R

[11]  [10]  [9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4]  [3]  [2]  [1

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「バイバイ」また逢えるよね ④

とうとう、ゆうちゃんが寄宿舎からいなくなる日が来てしまいました。

「ゆうちゃーん、お母さん来はったよー」

その声はとても悲しく響きました。
 二人が部屋に行くとゆうちゃんのお母さんがもう荷物の整理をしていました。二人は、ゆうちゃんが初めてこの部屋に来たあの日と同じように、車椅子を向かい合わせて座っていました。でも、ゆうちゃんは笑顔を見せてはくれませんでした。二人とも黙って下を向いていました。
 その時、ゆうちゃんのお母さんがともこに言ってくれました。

「ともちゃん、ゆうちゃんとお友達になってくれてありがとう、前に行ってた学校は、元気な子が通う学校の中にある、ハンディを持つ子のクラスで、中々友達が出来ひんかってね、そやから、こんなに仲良い友達出来たん初めてでね、「友達できてん」ってゆうちゃん凄く嬉しそうに話してくれたんよ、ずっとここにいられたらよかったんやけどね、ありがとうね、また遊びに来てやってね」
「はい」

ともこは、お母さんに向かってそう言うと、ゆうちゃんに

「そうや、またゆうちゃんとこに遊びに行ったええねん、そしたら、また逢えるやんか、また逢いに行くわな」

そう言って微笑みました。

「うん」

ゆうちゃんは小さく頷いただけでした。

「ほんまにありがとうね、そしたら、ゆうちゃん、行こか」

お母さんがゆうちゃんの車椅子を押そうとした時、ゆうちゃんが

「バイバイ、また逢おな」

小さな声でそう言いました。

「うん、また逢おな…」


~つづく~





PR


忍者ブログ [PR]

graphics by アンの小箱 * designed by Anne