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ちびちゃんストーリー6

(これは物語です)

『おにぎり』

お母さんのおにぎりは、まるい形をしていて、のりで包んであって、
おっきいのです。中に入っているのは、“梅干し”、“しゃけ”、“こんぶ”です。
おにぎりは、お弁当箱の“たまごやき”や“ウインナー”とは別に
アルミホイルに3つ包んであります。
お弁当の時、包んであるナフキンをほどくと、お弁当箱と一緒におにぎりの
アルミホイルがコロンと転がります。

他の子のおにぎりは、ちっちゃくて可愛くて、“たまごやき”や
“たこさんウインナー”と一緒にお弁当箱の中におしゃれに並んでいます。
ちっちゃいちびちゃんは、遠足や運動会の時には、いつも思っていました。
『私も、あんな、ちっちゃくて可愛いおにぎりがいいな…』

ある遠足の朝、ちびちゃんはお弁当を包んでいるお母さんに聞いてみました。
「なんで、おにぎり、おっきいの…?」
「大きい方が食べやすいでしょ」
お母さんは、そう言うと忙しそうにちびちゃんの遠足の準備をするために
隣の部屋に行ってしまいました。

おっきくなったちびちゃんは、お昼のお弁当を食べている時、
何故かお母さんのおっきいおにぎりを思い出しました。
『あのおっきいおにぎり食べたいな…』
ちびちゃんは、おにぎりをにぎっているお母さんの姿を思い出して、
何だか“ほわっ”とした気持ちになりました。
『ちっちゃい私が食べやすいように大きくにぎってくれてたんやね、
ちっちゃい私が持ちやすいように、のりで包んでくれてたんやね、おにぎり…』

『あんなおにぎり作るのお母さんだけだったよ、おいしかった…』
「ごちそうさま」
お昼のお弁当を食べ終わった後、ちびちゃんは、声に出して言ってみました。
『今度お母さんに“あのおっきいおにぎり”作ってもらう』
ちびちゃんは、運動会や遠足の朝の“たまごやき”と“ウインナー”が
焼けていくおいしそうな匂いも思い出していました。


-おわり-





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ちびちゃんストーリー5

(これは物語です)

『パンダのおしり』

「また…、おしり…」
おとなになったちびちゃんは、ガラスの向こうのパンダにため息まじりに思いました。

ちびちゃんが初めてパンダを間近で見たのは、まだ幼い頃でした。
お父さんとお母さんに、妹たちとパンダのいる動物園に連れて行ってもらいました。
車椅子のちびちゃんは、よく見られるようにとロープの中のガラスのすぐ近くまで
入れてもらいました。ちびちゃんのいるところよりも離れたロープの外には、
たくさんの人が笑顔で歩いていました。ちびちゃんは何だかパンダと一緒に
みんなに見られてるみたいでした。
その時、パンダは、ちびちゃんにずっとおしりを向けていました。
「あ~あ、おしりしか見えなかったなぁ…」
ちびちゃんは、ちょっとガッカリでお家に帰りました。

それから、ちびちゃんはおとなになって、今度は友達とパンダのいる
動物園に行きました。幼い頃のようにガラスの近くまで入れてもらいました。
今度は同じ車椅子の友達と一緒に見ました。またまたパンダのおしりを…。
『どうして、いつもおしりなんだろう…?、どうして、前を向いてくれないんだろう…?』
ちびちゃんは、考えました。
「私が来る時、いつもおしり、なんやけど…」
一緒に見ていた車椅子の友達に言ってみました。
「たまたま違うか…」
友達は事も無げにサラリと応えてくれました。
「そうか…、パンダにとっては、正面とか関係ないもんな…」
「うん…、たまたまパンダはあっち向いてるだけやて…」
「そっか~、勝手にこっちが正面って思ってるだけやんなぁ…」
「そうやて、パンダは向きたい方向いてるだけやで…」
「そうやな、私が反対側から見たら顔見えるやろしなぁ…」
ちびちゃんは、の~びり動くパンダのおしりを見ながら友達とこんな話をしました。


-おわり-





ちびちゃんストーリー4

(これは物語です)

『テクマクマヤコン、テクマクマヤコン…。』

主人公の少女が不思議なコンパクトに魔法の言葉を唱えると、
花嫁さんや婦人警官、看護婦さんとどんな姿にも変身できてしまうという
女の子が大好きなアニメ。幼いちびちゃんも大好きでした。
『いいなぁ…、私もあんなふうに変身してみたいなぁ…』
幼いちびちゃんは、そのアニメを見ていつも憧れていました。
そしてコンパクトがほしくてたまりませんでした。

そんなちびちゃんがある日、飛び上がりそうなくらい喜びました。
お母さんが同じ歳の妹とちびちゃんに1つつずつ、あの憧れのコンパクトを
買ってくれたのです。
「やった~!!」

ちびちゃんは早速ドキドキしながらコンパクトに向かってあの魔法の言葉を
そっと呟いてみました。
「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン、お姫さまにな~れ~」
何回か呟いてみましたが、何度やっても、コンパクトの鏡に映った
ちびちゃんは、いつものちびちゃんのままでした。
『あれ…?、みんながいるからかなぁ…?』

今度は、誰もいないところで試してみました。
ちびちゃんは、やっばりドキドキしながら、また魔法の言葉を呟きました。
「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン…、お姫さまにな~れ~」
でも、やっばり、コンパクトに映ったちびちゃんは、ちびちゃんのままでした。
『えっ、なんでだろう…?』ちびちゃんは、一生懸命に考えました。

今度は誰もいなくて、暗いところで試してみました。
歩くことのできないちびちゃんは、よつばいで誰もいない部屋に行って、
部屋の扉を閉めて、電気を消しました。
幼いちびちゃんは、真っ暗になった1人の部屋でちょこんと座って、
今度は少し不安になりながら、魔法のはずの言葉を呟きました。
「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン…、お姫さまにな~れ~」
それでも、やっばり、コンパクトの鏡の中のちびちゃんは、
ちびちゃんのままでした。
『やっばり…、なんでだろう…?』ちびちゃんは小さな体全部で
たくさんたくさん一生懸命考えました。

小さなちびちゃんは、真っ暗な部屋にちょこんと座ったままふと思って
しまいました。
『立って魔法の言葉を言わなきゃだめなんだ…』
ちびちゃんは、泣きそうになりました。
『私…、立てないもん、だから、変身できないんだ…』
ちびちゃんは、仕方なく魔法の変身を諦めてしまいました。

『立って歩ける同じ歳の妹は、ちゃんと変身できたんだろうなぁ…』
ちびちゃんは、そう思いましたが、何となく妹には、ずっと聞けないでいました。

同じ歳の妹も変身できなかったことに気づいたのは、
幼いちびちゃんがもう少し大きくなってからでした。

「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン…。」


-おわり-






ちびちゃんストーリー3

(これは物語です)

『お誕生会』

ちびちゃんには、同じ歳の妹がいました。
同じ歳だから、ちっちゃなちびちゃんと妹の誕生日は一緒でした。

二人の誕生日、ちびちゃんのお家に妹のお友達を呼んでお誕生会を
することになりました。ちびちゃんは、いつものように、よつばいで、
邪魔にならないように、お誕生会が開かれる子供部屋とは違う部屋に
行こうとしました。すると、妹が
「ちびちゃんも誕生日だから、一緒にお誕生会やろうよ」
と言ってくれました。ちびちゃんは、嬉しかったけど少しびっくりしました。
「えっ、いいの…?」
「うん、いいよ!、なんで…?」
妹は少し不思議そうにそう言 いました。

妹のお友達がやってきて、ちびちゃんも一緒のお誕生会が始まりました。
お母さんが作ってくれたパーティーのごちそうをみんなで食べてました。
そして、お友達が持ってきたプレゼントを妹に渡していました。
ちびちゃんは、『妹のお友達だもん…』と思っていたけれど、
やっぱり少し寂しいような気持ちでそれを見ていました。
「お誕生、おめでとう」
そんなちびちゃんに、ちびちゃんのことを知っていたお友達が声を掛けてくれて、
プレゼントを渡してくれたのです。ちびちゃんは、凄く嬉しかったけど、
恥ずかしくて、とても小さな声で
「ありがとう…」
としか言えませんでした。
「ちびちゃん、よかったね!」
妹がとても嬉しそうに言ってくれました。
「うん!!」

ちびちゃんも一緒に妹とお友達とみんなで、自分達が持っている、
便せんや封筒、千代紙の交換をしたり、きせかえごっこをしたりして
お家の中で楽しく遊んでいました。

しばらくして、お友達の一人がみんなに
「ねぇ、外で遊ぼうよ!」
と言いました。
「うん、外に行こう!」
他のお友達も外で遊ぶことに賛成し始めました。
『外だったら、私は、一緒には遊べないなぁ…』
ちびちゃんが寂しい気持ちでそう思った時、妹がみんなに言いました。
「外に行っちゃったら、ちびちゃんが一緒に遊べなくなっちゃうから、
お家の中で遊ぼうよ」
すると、お友達の一人が妹に言いました。
「ねぇ、ちびちゃんは、なんで、歩けないの…?」
すると、今まで楽しく遊んでいた他のお友達もみんな『し~ん』と
なってしまいました。
ちびちゃんは、何だかとても悲しくなってしまい、泣き出しそうになっていました。
妹がちびちゃんのことを聞いたお友達に飛びかかりそうになりながら、
「何でそんなこと言うの…?、ちびちゃんに誤ってよ!!」
と大きな声で怒りました。するとそれまで『し~ん』となっていた他のお友達も
みんなそのお友達に向かって
「そうだよ、誤りなよ!!」
とそれぞれに言い出しました。
「ごめんなさい…」
みんなに怒られたお友達は、とても小さな声でちびちゃんに言いました。

その時、ちびちゃんは、悲しい気持ちになってしまったけど、
妹が「ちびちゃんに誤ってよ!!」
とお友達に一生懸命言ってくれたことがとても嬉しかったのです。
「ありがとう…」
妹に言いたかったけど、照れくさくて言えませんでした。


-おわり-





ちびちゃんストーリー2

(これは物語です)

『ほんわか』

ちっちゃいちびちゃんは家族と離れて、お友達と一緒に園で暮らしていました。

そんなちびちゃんの楽しみは、3ヶ月に一度やってくる外泊の日でした。
外泊…、そう、この日だけは、ちびちゃんもお家に帰れるのです。
そして、もっともっと嬉しいことにお家に1つ泊まれるのです。

お迎えの音が聞こえてきました。
それは、たくさんのお母さんたちのスリッパの足音です。
ちびちゃんたちが待っている部屋に響きます。
そして、園のお友達もみんな1日だけお家に帰って行くのです。

お家に帰ったちっちゃいちびちゃん、妹と遊び、お母さんがちびちゃんの
好きなものを作ってくれました。
「何が食べたい…?」
と聞いてくれたお母さんをちょっぴり、がっかりさせてしまったこともありました。
「きゅうりの塩もみ!」
ちびちゃんは、よく、そう応えていたのです。
1日だけの外泊はすぐに終わります。

そして…、ちびちゃんがまた園に帰る日がやってくるのです。
家族みんなでちびちゃんを園まで送って行ってくれました。
それでも、ちびちゃんは、とても沈んだ気持ちです。妹とお話していても、
何だか寂しい気持ちになってしまいます。

そして…、とうとう園に着いてしまいました。
その日は、いつもの外泊の時よりも園に着くのが少し遅くなってしまいました。
他のお友達はもうみんな食堂で夕食を食べていました。
お母さんがちびちゃんを食堂まで連れて行ってくれました。
「じゃあね、またくるからね」
そう言ってから、お母さんは、その日の夕食に付いていたヤクルトを手にとって
「よし!、今日はサービス!!」
と言ってフタを開けてくれました。
そして、ちっちゃなちびちゃの手に「はい…」
と優しく渡してくれました。
ちびちゃんは、そのお母さんの優しい声と手に心がほんわかなりました。
「じゃあね、またくるからね」
お母さんはもう一度ちびちゃんにそう言って、スリッパの足音を響かせて、
ちびちゃんのいる食堂を出て行ってしまいました。
食堂に残されたちびちゃんは、いつものようにとても寂しかったけど、
その日は、いつまでも心がほんわかしていました。



-おわり-






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