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ショートストーリー2

(これは物語です)

『おうち』

パパとママとぼくが遠い町の新しいおうちに行く日…。
パパとママは朝から忙しそうにバタバタしている。
「早く片づけなさい!!」
と何度もママの声が聞こえてくる。
だけど、ぼくは、寂しい気持ちでいっぱいで涙が出そう…。
体が思うように動かなくて、片づけなんてできないよ…。
片づけが終わったら、トラックに荷物を乗せて、
ぼくの大好きなおうちとさよならしなきゃならないんだもん。
寂しいよ~。だって、ぼく、ずっとここにいたんだよ…。
ぼくがボールをぶつけて穴があいちゃって、ママに怒られたところも、
ぼくがくれよんで落書きしたところも、みんな覚えてるよ…。
パパとママは寂しくないのかなぁ…?

ママがぼくのところにきて、片づけを手伝ってくれている…。
淋しくて、泣きそうなぼくをおいてけぼりにして、
どんどんおうちにはなにもなくなっていく…。
まるで、ここには誰もいなかったみたい…。
ぼくのおもちゃを入れた箱が運びだされて、
おうちにはな~んにもなくなった…。そこだけ時間が止まっちゃったみたい…。
ぼくはもっともっと寂しくなって、とうとうずっと我慢していた涙がこぼれだした…。

そんなぼくの顔をママはのぞきこんだ。
「どうしたの…?、寂しいの…?」
「うん…、ママは寂しくないの…?」
「そうね…、ずっといたおうちだもんね…、寂しいよね…」
「うん…」
「だからね…、おうちに、ありがとうってちゃんと言わなきゃね」
「うん…」
「それでね、ぼくが大きくなったら、またこのおうちに会いにおいで!!」
「えっ…?」
「そしたら、おうちはきっと、優しく向かえてくれると思うわ…」
「ぼくが大きくなったら…?」
「そう、おうちはずっとここにいるから…」
「ずっと…?」
「そう、だから、このおうちで過ごしたこと忘れないでいてあげてね」
「うん、ぼく、ずっとわすれないいよ」
「そう、よかった!!、ありがとう、またくるねって元気にお別れしてあげてね!」
「うん!!」
ぼくは、涙をふいて車の窓から、ずっと一緒だったおうちにお別れをした。
「ありがとう!、忘れないよ!!」
ぼくのおうちが『またねっ』って言ってくれてた。
「いつか、また会いにくるからね!!」
ぼくは、おうちに手を振った。
ぼくとパパとママはおうちの中から運びだされた荷物と一緒に新しいおうちに向かった。


-おわり-






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ショートストーリー1

(これは物語です)

『サンタクロースへのプレゼント』

ー少女は、コートを着た1人のおじいさんに、声を掛けました。ー
「すみません、ジャングル公園は、どこですか…?」
『えっ、あっ、いや、知らんのじゃが…』
ーおじいさんは、驚いて、少女を見ました。ー
『あんた、ひょっとして、わしが見えるのか…?』
「えっ、“見えるのか”って…?」
ー少女は、おじいさんの言葉に立ち止まりました。ー

『いや、実は…、わしは、サンタクロースなんじゃよ』
「えっ、おじいさんが…?、ほんとに…?」
『信じてもらえんよな…』
「あっ、違うの、サンタクロースって、ほら、赤い服と帽子で…」
『近ごろ、信じない者が多いからな』
「だから、どんな格好をしていてもいいって…?」
『そうじゃな…、わしらは、わしらを信じる者にしか見えんからな…』
「だから、赤い服も帽子も着てないの…?」
『まぁ、そういうことかな…』

「今日はクリスマスよ、プレゼントは…?、トナカイのそりは…?」
『今は、もう、わしらのプレゼントを欲しがる者はおらんよ、最近は、
飛行機も飛んで、そりは危なくてしょうがない…』
「そうなの…?」
『わしがそりでプレゼントを配るより、航空便の方が早いじゃろ…』

「でも、クリスマスの主役は、サンタクロースじゃないの…?」
『クリスマスはな、生まれた命を祝う日なんじゃよ』
「知ってるわ、そうよね…」
『近ごろは、誰もが、忘れとるようじゃがな』
「そうね…、街はカップルで溢れて、道路はあちこち渋滞だらけで、
ホテルはカップルたちの予約でいっぱい…、おまけに、
クリスマスに恋人がいないと、世の中に置いて行かれたみたいで、
その日の為に恋人を探したりして…『そうじゃな…』
「でも、やっぱり、クリスマスにサンタクロースがいないと淋しいわ」
『ありがとう…、嬉しいよ』

「私ね、サンタクロース信じてるって言ったら、笑われるの」
『そうか…』
「私、サンタクロースに会ったってみんなに言うわ」
『みんなは、信じてくれんかもしれんよ…』
「大丈夫よ、今日、おじいさんとお話したことを教えてあげれば…、
そうしたら、みんなにもサンタクロースが見えるようになるでしょ!」
『そうじゃな!』
「ちゃんと赤い服に帽子のサンタクロースでいてね!」
『わかった!、ありがとう、わしも信じてみることにするよ!』
「私、きっと、おじいさんに、たくさん信じる心をプレゼントするわ!」
『もうもらったよ、あんたの信じる心をな!』
「私も、もらったわ、おじいさんにプレゼント」
『えっ、わしは、まだ何も…』
「クリスマスにサンタクロースに会えるなんて最高のプレゼントよ!」
『そうか、ありがとう!』
「とってもうれしいわ!」
『わしもじゃよ!』
「きっと、また会えるわよね…?、私たち」
『ああ、わしも、そう願っているよ…!』

「またいつか…、ね!」
『ああ…、またいつか…、じゃな!』

「サンタクロースさん!、メリークリスマス!」
『ありがとう…、メリークリスマスじゃ!』


-おわり-





『ねこ7』

(これは物語です)

“うみと”はその日、朝から飼い主さんの足元に、いつもより、ずっとまとわりついていました。
「何してんの…!」
飼い主さんは、洗濯物を干しに窓を開けてベランダに出ました。

“うみと”は、“お兄ちゃん”の写真をちょっと見て、“ミャオーン、ミャオーン”と声を出しました。
『お兄ちゃん、外にいるのかなぁ…?』
もう一度、“ミャオーン”と声を出して、窓の方を見ました。

『あっ、開いてる!』
窓は、“うみと”の体が通るくらい開いていました。
ベランダで洗濯物を干していた飼い主さんの足元をすり抜けて、
“うみと”は外へ出て行きました。
飼い主さんは、一瞬のことで、家から飛び出した“うみと”を捕まえることが
できませんでした…。

しばらくは、どこか近くで“ミャーミャー”声が聞こえていましたが、
小さい体の“うみと”どこに隠れているのか判りませんでした。
そのうちに、声も聞こえなくなりました。
“うみと”は、病院と美容院以外では、外に出たことはありません。
1匹だけで出るなんて、生まれて初めてです。
「うみとー!、うみとー!」
飼い主さんは、心配してあちこち探しましたが、“うみと”は見つかりませんでした…。
ひょっとしたらと、窓を開けたままにして、帰ってくるのを待っていたりもしましたが、
何日待ってみても“うみと”は帰って来てくれませんでした。

「“うみと”、お兄ちゃん、探しに行ったのかなぁ…?」
飼い主さんは呟きました。
家の中には、“やまと”も“うみと”もいなくなってしまいました。


ー“ねこ”終わりー





『ねこ6』

飼い主さんは、小さい机に“やまと”の写真や
“やまと”が好きだったごはんを置きました。
『あっ、お兄ちゃん…』
“うみと”は、“やまと”の写真を見ていました。
窓の外を見ては“ミャーミャー”と泣いたりもしていました。

“うみと”は、ごはんを食べるのも、おやつを食べるのも、お水を飲むのも、
ベットで寝るのも、1匹だけでした。
体を舐めあったり、おすもうしたり、いたずらしたり、
いつも一緒だった“お兄ちゃん”は、家の中のどこにもいませんでした。
『お兄ちゃん、まだ帰って来ないのかなぁ…』

“うみと”は、“ミャオーン、ミャオーン”という声を出すことが多くなりました。
その声は、“うみと”がこの家に来たばかりの頃、不安を感じていた時と同じでした。
“うみと”は何となく、窓の外の方を見ていることも多くなりました。

「“うみと”やっぱり、淋しいのかなぁ…?」
飼い主さんは思いました。


ー“ねこ7”へ続くー






『ねこ5』

(これは物語です)

次の日、飼い主さんが“うみと”に言いました。
「お兄ちゃんに“さよなら”してあげて…」
飼い主さんは、何だか泣いてるみたいでした。

しばらくして、“お兄ちゃん”はいつもの茶色い箱とは違う箱に入れられて、
飼い主さんとは違う人に何処かに連れて行かれました。
『どこ行くの…?』
“うみと”は不思議そうに首をかしげて、玄関を見ていました。

“お兄ちゃん”は、いつまで待っても帰ってきませんでした。
『お兄ちゃん、早く帰って来ないかなあ…』
“うみと”は、いつものお留守番の時のように“お兄ちゃん”を待っていました。


ー“ねこ6”へ続くー







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