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小さな羽根Ⅴ神様の答え4

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅴ 神様の答え4


「ジュナ、その背中の羽根を外してしばらく休めば、お前は、今感じている
痛みからは解放されるだろう、その後、以前にお前の背中に付いていたあの
小さな羽根を戻してやれば、もう二度とお前はその痛みを感じることはない
だろう…、あの羽根は造られた物ではなく、お前の体の一部なのだから」

「神様、おっしゃっていることは理解できます、でも、僕は…」
「そうです、神様、彼は…」
「まあ、落ち着いて、話を最後まで聞きなさい、私はジュナお前自身に決めて
ほしいと言っただろう、これはお前が選択する一つ目だ」
「はい、神様、申し訳ありません…」

「もう一つの選択は、羽根を外してしばらく休み、痛みから解放された後、
再び、現在(いま)その背中に付いている造り物の羽根を戻すということだ、
こちらを選択した場合、痛みから解放された後も、お前は、またその痛みを
感じることになるだろう、その羽根は造られた物で、お前の体にとっては、
異物なのだから…」

神様は、再び雲の椅子に座り、優しげな表情でジュナとミーメを見つめました。
ジュナは神様のその様子に安心し、自分が一番望んでいること、答えが解って
いても諦められないことを口にしました。

「神様…、お聞きしてもよろしいですか…?」
「ああ、何でも聞きなさい…」 
「僕に選択できるのはその二つだけなのでしょうか…?、仲間と同じ大きさの
本当の羽根を下さるということは選択させては頂けないのでしょうか…?」
「ジュナ…、もう一度言おう、私は、持って生まれたものを変えることは
許していない、だから、今、私がお前にしてやれることは…、今話した二つだけだ」
「解りました、神様、ただ、もう一度お聞きしておきたくて…」
「そうか…、ジュナ」


ー“Ⅴ神様の答え5”へ続くー








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小さな羽根Ⅴ神様の答え3

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅴ 神様の答え3


「やっときたな、ジュナ、ミーメ」
「お久しぶりです、神様」
「そんなに固くなることはない」 
「でも…、神様…、私たちは…」
「ああ、お前たちのこれまでのことは全て知っているよ」
「神様…、あなたに背くようなことをしてしまったことお許し下さい…」
「神様、彼女は僕のために…、罰はこの僕が全て受けます!」
「いいえ、神様、罰ならこの私が全て…」
「私は、お前たちに罰を与えようなどと思ってはいない」
「それでは…、お許し下さるのですか…?」
「私は、何もお前たちのしたことを怒ってはいない」
「本当ですか…?」
「お前たちは、自分のしたことを間違えだと思っているのか…?、ここへきたのも、
私に詫びにきただけではないのだろう…?」
「神様は、それもご存知なのですか…?」
「ああ…、早くジュナを楽にしてやらんとな」

ジュナとミーメは、神様の言葉に救われた気持ちになり、全身の力が抜け、
涙が流れてしまいそうになりました。
「神様…、ありがとうございます!」
「ジュナ、お前の覚悟は強いものだと解った、ミーメ、お前の心の強い力
も知った、だがな、私は、持って生まれたものを変えることを許した訳で
はない、ただ、ジュナをそのままにはしてはおけない…」
「では…、神様…」
「ジュナ、お前自身に決めてほしい…」
「えっ、僕が何を決めるのですか…?」
「お前自身のことをだよ」
「僕自身のことを、ですか…?」
「そうだ、いいな…、ジュナ」

ジュナの瞳には強い光が宿り、ミーメの全身に力が入りました。
神様は雲の椅子から立ち上がり、ジュナとミーメの肩に優しく手を置いて
ゆっくりと次の言葉を発しました。


ー“Ⅴ神様の答え4“へ続くー






小さな羽根Ⅴ神様の答え2

『小さな羽根』


Ⅴ 神様の答え2


「お約束はございますか…?」
「いいえ…、ありません」
「それでは、しばらくお待ち下さい」
「はい」

以前とは違い、門番の問いにはミーメが応えました。

「あの者が案内しますので…」

門の中に入って行き、再び戻ってきた門番が指し示した先には、
懐かしい姿がありました。
以前にもジュナとミーメを案内してくれた“エリア”でした。
ジュナとミーメは、ゆっくり“エリア”の方へ歩いて行きました。

「お久しぶりです、またよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」

“エリア”は軽く会釈をしてくれました。そして、自分についてくるようにと伝え、
少し辛そうなジュナを気遣いながら、ゆっくりと歩き出しました。
しばらく歩いて大きな門をくぐり、小さな扉が幾つも並んでいる廊下を歩きました。
その順路も先を歩いている“エリア”の姿も以前にきた時と同じでしたが、
ジュナとミーメの気持ちはあの時とは違うものでした。

『神様は、自分たちに怒りを感じていらっしゃるだろうか…?、それでも、
解って頂きたい…』

ジュナとミーメは、同じ気持ちで長い廊下を歩いて行きました。

やがて、あの時と同じように“エリア”が一つの扉の前で足を止めました。
そして、あの時と同じように扉をノックしました。
やはり、中からは何も聞こえてきませんでしたが、“エリア”は扉を開き、
ジュナとミーメに中に入るように促しました。
ジュナとミーメは中に入り、廊下に立っている“エリア”に会釈をしました。
“エリア”が扉を閉めると、ジュナとミーメは決心したように部屋の奥へと
進んで行きました。


ー“Ⅴ神様の答え3”へ続くー








小さな羽根Ⅴ神様の答え1

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅴ 神様の答え1


「ミーメ、帰ってきたわよね」
「ええ、だけど、またジュナと一緒に神様のところに行ったみたい」
「ジュナは大丈夫なのかなぁ…?」
「ジュナの痛みを治してもらうって…」
「あんな状態でジュナは神様のところに行けるのか…?」
「大丈夫だよ、ミーメが帰ってくるまではずいぶんあったからね」
「そうね…、ジュナはその間、力を蓄えていたみたいだものね…」
「それに、ミーメがついているもの、大丈夫よ!」

「やっぱり、しばらくは仕事は無理みたいだよ」
「そりゃ、まだ無理だろうなぁ…」
「でも、ジュナはとても仕事をしたがっていたよ」
「なのに、まだ休まなきゃいけないからって…」
「うん…、みんなに迷惑かけてるって気にしていたよ」

「なあ、ジュナが気にせず休めるように、ジュナに休みの日を作ってやったらどうだ」
「ええ、そうね!、そうすれば、ジュナが仕事に戻っても私たちに気を使わずに
休めるものね」
「でも、ジュナだけに休みの日があったら、ジュナは僕たちに余計気を使って
休めないんじゃないかなぁ…?」
「ん~、そうだなぁ…」
「それなら、私たちにも順番に休みがあればいいのよ!」
「ええ、そうね、そうすればジュナも気を使わずに休めるわね」
「僕たちも休みの日に力を蓄えることができるしな」
「そうだな、僕たちちょっとジュナに頼りすぎていたしな」
「そうよね…!」
「ねぇ、ジュナとミーメの休みは同じ日にしてあげるといいわね!」
「そうね、それがいいわね」

仲間たちがこんな話し合いをしている頃、ジュナとミーメは金色の光の中を再び
神様のところに向かって飛んでいました。
ジュナの背中の痛みはまだ残っていましたが、仲間たちが言うようにミーメの帰りを
待つ間、その力を蓄えていたのでミーメの助けがあれば、神様のところまでは
飛んで行けるほどになっていました。
「もう一度、神様のところに行きましょう!」
ミーメの言葉に驚いたジュナでしたが、その説得に押されミーメと一緒にもう一度
“神様のところ”に行くことを決めました。
ミーメは“天使”が言ってくれた“強い力”を信じて、もう一度、ジュナと一緒に
“神様のところ”に向かいました。


ー“Ⅴ神様の答え2”へ続くー







小さな羽根Ⅳ天使の苦悩10

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅳ 天使の苦悩10


「ミーメさん、実は私は、あなたは再び私のところにこられると思っていました、
でも、これほどの日が経ってもこられないのは、あなたが考えて、私のところでは
なく、神様のところに行かれたものと思っていました…」
「何故、私が神様のところに…?」
「私の他にジュナさんの羽根を外せるのが、神様だからです」
「えっ、でも、神様は…」
「ええ、ジュナさんを治しては下さらなかった…」
「ええ…」
「でも、神様は、そのあと、あなたたちが私のところを訪れ、その思いを果たし、
幸せに暮らしていたことも、ジュナさんが痛みに耐えていることもご存知なのです」
「ええ…、でも、神様は、解って下さるかしら…?」
「ミーメさん、あなたは強い力を持っています」
「強い力…?」
「ジュナさんへの想い、それは、強い力です」
「えっ…!」
「大丈夫です、あなたとジュナさんなら、神様にも伝わるはずです」
「ええ…」
「神様には、解って頂きたいのです、持って生まれたものを変えることが必要な
ものもいることを…、私がお願いしても神様は聞き届けて下さらなかった…、
でも、今のあなたたちなら…」
「ええ、わかりました」

「今、様々な者が様々な願いを持って私のところを訪れてくれています、
それは、きっとあなたたちが仲間に話したことが大きなうわさになってくれた
からだと思っています」
「ごめんなさい…やっぱり、ご迷惑を…」
「いいえ、今までのような怪しげなうわさではないみたいです、みなさん、
希望を持ってきて下さいますから」
「それなら、よかったです」

「あの日、あなたたちが私のところにきて下さって本当によかった」
「ごめんなさい…、私、きちんと契約書を読んでいれば…」
「いいえ、だから…、今…」
「えっ、あなた…、もしかして…?」
「ミーメさん、私は、あなたたちの幸せを祈っています」
「ええ…、ありがとうございます」

ミーメは、再び“天使”に別れを告げて、緑と土の大地を歩き続け、銀色の光を
抜け、金色の光を抜けて飛び続け、ジュナと仲間たちの待つ場所へと帰って
行きました。

『ミーメさん、あなたは、あなたたちの幸せを考えて下さい…、それは、
全てのものの幸せに繋がってくれるのです、きっと…』


ー“Ⅴ神様の答え1”へ続くー










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