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ちびちゃんストーリー13おかゆ

(これは物語です)

『おかゆ』

「ちょっと熱あるね、風邪かな…?」
ちびちゃんのおでこを触ってお母さんが言いました。
「寝てなさい、あとでおかゆ作ってあげるから」
「うん…」
お母さんがちびちゃんをだっこして、ベットに寝かせてくれました。

妹たちの楽しそうに遊んでる声が小さく聞こえてきます。
『つまんないなぁ…』
ちびちゃんは、頭が痛くてしんどかったけど、しーんとしたお部屋で一人で
寝ているのはとっても淋しいと思いました。

お母さんがお部屋に入って来ました。
「どう…?、頭、痛いよね…?」
「うん…、ちょっと痛い…」
「冷たくて気持ちよくなるからね」
お母さんがそう言って、ちびちゃんに氷枕をしてくれました。
枕の中で氷の音がして、ヒヤッとしました。
「何のおかゆがいい…?、たまご…?、梅干し…?」
お母さんがちびちゃんに優しく聞いてくれました。
「たまご…」
ちびちゃんは小さく応えました。
「わかった、もうちょっと待っててね」
お母さんは、静かにお部屋の扉を閉めました。
ちびちゃんは、何だかちょっと、お母さんのたまごのおかゆが
楽しみになりました。

「ちびちゃん、お待たせ、おかゆ食べようか」
お母さんがおかゆを持って来てくれました。
小さなお茶碗に入っている、きいろくてふわっとしたおかゆをお母さんが
レンゲですくって、ふぅふぅってして食べさせてくれました。
「おいしい…?」
「うん」
「よかった…、これ食べたらもう熱下がるからね」
「うん」

「おいしそうだね、いいな、ちびちゃん」
お父さんがお部屋に入って来て言いました。
「熱がある人だけよ、ねぇ、ちびちゃん」
お母さんが笑って言いました。
「病気になったら、こんなの作ってもらえるのか~、いいな~」
お父さんの言葉にお母さんがまた笑って言いました。
「お父さんも熱、出したいの…?」
「こんなの作ってもらえたら熱出してもいいかな、なぁ、ちびちゃん」
「何言ってんのよ、ちびちゃんしんどいのにねぇ」
お母さんは、そう言いながらお布団を直してくれました。

「プリン食べる…?」
「うん」
おかゆを食べ終わるとお母さんがプリンを持って来てくれました。
「おっ、そんなのもあるのか」
お父さんが、またお部屋に入って来ました。
「もう、また、何言ってんのよ、これもちびちゃんだけよ、ねぇ」
「これもちびちゃんだけ特別か、ちびちゃん、いいな」
「もう、何言ってんのよ、お父さんは」
お母さんがまた笑って言いました。

「少し熱下がったみたいね、あとで計ってみようね」
お母さんが、ちびちゃんのおでこをそっと触りながら言いました。

何だか、ちょっと楽しくて、優しくて、暖かくて、おいしくて、
『病気になるのも何かいいな』ってちびちゃんは思いました。


-おわり-








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ちびちゃんストーリー12おじいちゃーん

(これは物語です)

ちびちゃんストーリー12


『おじいちゃーん』

夏休み、ちびちゃんは、家族みんなでおじいちゃんとおばあちゃんのお家
に遊びに行きました。

その日ちびちゃんたち家族は、おじいちゃんの車で、おじいちゃんとおばあちゃん
と一緒にお寺にお参りに行きました。
コーラやお弁当を持って、何だか遠足みたいでちびちゃんはずっとワクワクした
気持ちでした。

幾つかお寺をお参りして、最後のお寺でちびちゃんたち家族は、車の中で待って
いることにしました。
運転手のおじいちゃんと、おばあちゃんが車を降りて、ちびちゃんとお父さん、
お母さんが後ろの席に、同じ歳の妹が助手席に、そして、まだ赤ちゃんの妹が
お母さんにだっこされてスースーと眠っていました。
みんなで、おじいちゃんとおばあちゃんのお参りが終るのを待っていました。

「暑いやろ、あおいだらましやけ」
ちびちゃんは、そう言っておばあちゃんが渡してくれたお扇子をパタパタしていました。

「よっちゃんは…?」
自分が座っている所から同じ歳の妹の姿が見えなくて気になってしまった
ちびちゃんがお母さんに聞きました。
「なに~?」
それを聞いた助手席の妹が後ろを向いてちびちゃん言いました。
その時、ちびちゃんたちの乗っている車がゆっくりバックし始めたのです。
妹が後ろを向く時に足がクラッチに当たってしまい、ギアが外れて、後ろが
ゆるやかな坂道になっている所に止まっていた車は、バックしてしまったのです。
「おじいちゃーん」
何が起こったのか解らないまま、ちびちゃんたちは車の窓から見えたお参りして
いるおじいちゃんに助けを求めてみんなで叫びました。
おじいちゃんは、みんなが自分に手を降ってくれていると思い、ニコニコ笑っていました。
『もう駄目だ…』
みんなは思いました。
「後ろ、滝やで!」
お母さんが叫びました。
滝の流れる音が聞こえ、ゆっくりバックしている車の中でお母さんは赤ちゃんの
妹をだっこし、赤ちゃんの妹はスースー眠り、ちびちゃんはおばあちゃんにもらった
お扇子を握り、自分がはいているお気に入りのショートパンツをじっと見ていました。
車はゆっくりバックし続け、車の中では、本当よりもゆっくり時間が流れていました。

お父さんが妹の名前を叫んで車を降りて行きました。
ちびちゃんもお母さんも赤ちゃんの妹も気づかなかったけど、妹は、車から外に
投げ出されて、バックして来た車の下敷きになってしまっていたのです。
お父さんは、妹が車の中にいないことに気づき、動いている車の外に飛び出して
行きました。 

いつの間にか、車は、止まっていました。
妹のことに気づいたお母さんが赤ちゃんの妹をだっこしたまま車の外に出て行きました。
凄く不安な気持ちでいるちびちゃんの体を知らない人が車から出してくれました。
おじいちゃんがあの時、すぐに自分の車が動いているのに気づき、助けを呼んで
くれていました。
ちびちゃんに怪我はありませんでした。
車の外に投げ出された妹の体は、落ちた座布団と一緒にタイヤとタイヤの間に
はまり込んでいて奇跡的にかすり傷だけですみました。
車は、滝の手前で止まっていましたが、トランクの中の荷物やコーラは、みんな滝に
流れてしまっていました。

みんな無事でおじいちゃんとおばあちゃんのお家に帰って、みんなでおばあちゃん
が作ってくれた冷たいカルピスを飲みました。
「みんな、無事でよかったかなぁ…」
おばあちゃんが言いました。

「よっちゃんが助かったのは、今日もらったお札のお陰やけね、よっちゃんが
カバンに入れてずっと持ってたからやけね、車の下でも持っていたんじゃろ…?、
神様が守ってくれたんやけ、不思議やね」
おばあちゃんがカルピスを飲みながら、みんなに言いました。


-おわり-










ちびちゃんストーリー11おもちぺったんこ

(これは物語です)

ちびちゃんストーリー11


『おもちぺったんこ』

ちびちゃんとまあちゃんはとても仲良しでした。
まあちゃんは二本のまつばづえで歩いている、めがねをかけた男の子です。

ちびちゃんとまあちゃんは家族と離れて、ちびちゃんと同じように、
立って歩くことができなかったりするお友達と一緒に園で暮らしていました。

まだちっちゃいちびちゃんとまあちゃんは、ブロックでどっちがカッコイイ
戦車が作れるか競争したり、二人でよつばいでどっちが早いか競争したり、
しりとりをしたり、お話したりいつも一緒でした。

ある日、ちびちゃんが
「しりとりしようよ!」
と言いました。
ところが、まあちゃんは
「ブロックで戦車作ろうよ」
と言いました。
「しりとりがいい!」
「ブロックがいい!」
「しりとり!」
「ブロック!」
言い合っているうちに、どちらもあとに引けなくなりました。
「もう一緒に遊ばない!」
まあちゃんが言いました。
「私も一緒に遊ばない!」
ちびちゃんも言いました。
二人は、ケンカをしてしまいました。

お友達がたくさんいるお部屋で、二人は別々に遊び始めました。
まあちゃんは、床に敷かれたカーペットに座ってモクモクと戦車を
作っていました。
ちびちゃんは、カーペットの上にとんび座りして、体を二つ折りにして、
カーペットにほっぺたをくっつけてぬりえをしていました。
ぬりえをしながらちびちゃんは思いました。
『ブロックでもよかったかなぁ…』

まあちゃんがちびちゃんの所によつばいで近づいて来ました。
そして、カーペットにくっついて、おもちみたいにベチャと潰れている
ちびちゃんのほっぺたをニコニコ触りました。
「おもちぺったんこ!」
まあちゃんは、嬉しそうに言いました。
「おもちぺったんこ!」
ちびちゃんも何だか楽しくなって、カーペットにほっぺたをくっつけた
まま言いました。
「おもちぺったんこ!おもちぺったんこ!」
ちびちゃんとまあちゃんは、一緒に笑いました。
二人はすっかり仲直りしました。

二人の遊びが一つ増えました。
「あれやって!」
まあちゃんが言うと、ちびちゃんがカーペットや机、車いすの肘掛けなど
にベチャとほっぺたをくっつけるのです。
「おもちぺったんこ!、おもちぺったんこ!」
そう言いながら、二人で思いっきり笑い合うです。

もちろん、ケンカをした時も、すぐに仲直り出来ます。
「おもちぺったんこ!」


-おわり-








ちびちゃんストーリー10スカート

(これは物語です)

ちびちゃんストーリー10


『スカート』

ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くことが
できなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました。
そこでは、ちびちゃんより大きなお兄さんやお姉さんもたくさん暮らして
いました。お兄さんやお姉さんは、ちびちゃんをとても可愛がってくれました。

今日は、ちびちゃんがお家へ外泊する日です。
ちびちゃんは、いつも可愛がってくれているお姉さんが洋服を片付けて
いるのを見ながら、お迎えを待っていました。
色んな色のトレーナー、ブラウス、セーターにカーディガン、Tシャツが
出てきました。ズボンやスカートもたくさん出てきました。スカートが
出てきた時、ちびちゃんは思わず言いました。
「スカートはきたいなぁ…」
ちびちゃんは、よつばいで動いていたり、車いすに乗っていたりで、
怪我をしたらあぶないから、めくれたりしたらカッコ悪いからと
スカートをはかせてもらえませんでした。だから、ちびちゃんは、
スカートにとてもとても憧れていました。

「スカートはきたいなぁ…」
ちびちゃんの言葉を聞いて、お姉さんが一枚のスカートをちびちゃんに
見せて言ってくれました。
「これ、私が昔はいてたんだけど、はく…?」
そのスカートは青色で、赤と黄色のりんごが書いてあって、後ろで
リボンを結ぶようになっていました。
「かわいい!」
かなり古いものらしく、りんごが少し薄くなっていましたが、ちびちゃん
にはとてもとても輝いて見えました。
「うん、はく!」
ちびちゃんは嬉しくてすぐに応えました。
「あっ、じゃあ、今日お家にはいて帰って、お母さんたちに見せて
あげたら…?、はかせてあげるから!」
ちびちゃんは、ドキドキしながらお姉さんにスカートをはかせてもらいました。

しばらくして、お父さんが迎えに来てくれました。
「さあ、帰ろうか」
お父さんは、ちびちゃんのはいているスカートに目をやりました。
「これ、はいて帰るのか…?」
「うん!」
ちびちゃんは、とても嬉しそうに応えました。
「そうか」
お父さんの少し困った顔がちびちゃんに見えました。
『な~んだ…』
ちびちゃんは、ちょっぴりガッカリしました。

スカートをはいたちびちゃんとお父さんは、電車に乗りました。
電車は混んでいて座る所がありませんでした。お父さんは仕方なく、
ずっとちびちゃんをだっこしたまま立っていました。お父さんは、
また困った顔をしていました。お父さんにだっこされたちびちゃんの
スカートは、少しずつ上に上がって来て、パンツが見えそうに
なっていました。お父さんは、スカートが上がらないように、
ちびちゃんをだっこしながらスカートをずっと下に引っ張って
くれていました。
『そうか~、だからお父さん、困った顔してたんだ…』

お家に着いたら、お母さんがちびちゃんに聞きました。
「どうしたの…?、そのスカート」
「寄宿舎のお姉さんにもらったの…」
「まあ、こんなのもらっちゃって…、それに、スカートはね」
『な~んだ』
ちびちゃんは、またガッカリしました。
「まあ、女の子だから、はきたいよな、スカートも」
お父さんが洋服を着替えながら言ってくれました。


-おわり-






小さな羽根Ⅴ神様の答え10

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅴ 神様の答え10


「神様が、傷や腫れがなくなった頃に羽根を戻して下さるって」
「そうなの、痛みはないの…?」
「うん、もうないよ」
「よかった…、安心したわ」
「うん、ありがとう」

ジュナとミーメは、その部屋に敷き詰められた白くて〝フワフワ〟の
雲の上に並んで寝転び話しました。

「私ね、“天使”のところから帰る時、もう少しここにいたいって思っていたのよ」
「そうだったんだ…」
「ええ、だって、私たちが暮らしているところでは、いつも、みんな
一緒でしょ、もちろん、みんなでいるのも楽しいけど、あなたと二人
だけw)にはなれないもの」
「そうか…、そうだね」
「私、あの時間がとても幸せだったわ」
「解ってあげられなくて、ごめんね…」
「いいのよ、仲間と同じ姿になって、あなたは早く帰りたかったんですもの」
「いつも僕を見ていてくれてありがとう」
「私だって、いつもあなたといられて嬉しいわ」
「でも、いつも君を不安にさせてばかりだよね、“天使”のところでも、
また、ここでも…」
あなたを待っている時は不安だったけれど、あなたと二人だけで過ごせたもの」
「ああ、ありがとう」
「私、あなたのお陰で強くなれたのよ、幸せな時間よ、“天使”のところで
過ごした時間も、この時間も」
「僕もだよ、神様がね、二人でゆっくり休みなさいって」
きっと、神様が私に、ジュナにずっと付き添いなさいって言って下さったのは、
神様から私たちへの贈り物よ」
「うん、そうだね」

「私が神様から頂いた役目は、ジュナ、あなたを力づけること、あなたを守ることよ」
「じゃあ、僕は君を守ることだね」

「もっともっと私たちに与えた役目や下さった贈り物はあるんじゃないかしら…?」
「どんなことだろう…?」
「今すぐには解らなくても、私たちをちゃんと自分を生きていれば、
いつかきっと見つけることができるわ」

「私たちが仲良しになれたのも、きっと神様からの贈り物よ」
「僕が小さな羽根で生まれたのも君と仲良くなるため…?」
「きっとそうよ、私がみんなより少し小さな羽根で生まれたのも、
あなたと仲良しになるためね」

「僕は、今、とても幸せだよ、ミーメ」
「私もとても幸せよ、ジュナ」


ー“小さな羽根”終ー










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