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ちびちゃんストーリー23お菓子ばこ

(これは物語です)

『お菓子ばこ』

ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くこと
ができなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました。

「お菓子ばこ作らへん…?」
ちびちゃんが寄宿舎からお家へ帰っていた夏休み、ちびちゃんと双子の
妹が、ちびちゃんと小さい妹に言いました。
「もらったり買ったりしたお菓子、このはこの中に貯めるねん」
妹は、はこが赤い色でフタが黒い色をしたカッコイイはこを二人に見せました。
二人も賛成して“お菓子ばこ”は誕生しました。
色々なお菓子が入った“お菓子ばこ”は、大人たちに見つからないように、
子供部屋の一番高い棚の上に置かれていました。

三人は、晩ごはんが終わるとワクワクして子供部屋に行きました。
「今日はどれにする…?」
双子の妹が言うと
「これがいい!」
小さい妹が言いました。
「これは、昨日入れたばっかりやから、もったいないやん」
双子の妹が言いました。
「これは…?」
小さな妹がもう一度言いました。
「これは、もうちょっとしかないからもったいないやん」
また、双子の妹が言いました。
「じゃあ、どれにする…?」
ちびちゃんがゆっくり言いました。
「ん~、これにしよか!」
双子の妹が決心したように言いました。
「それにしよ!」
毎晩のように子供部屋では、お菓子会議が開かれました。
三人で楽しくお菓子を食べると、双子の妹が椅子に乗って“お菓子ばこ”
を棚の上に戻しました。

その日、双子の妹も小さい妹も遊びに行って家にいませんでした。
ちびちゃんが子供部屋にいると、お父さんとお母さんが入って来ました。
「あそこが気になるねん…」
お母さんが“お菓子ばこ”の置いてある棚の上を指差してお父さんに
言いました。
「ここか…?」
お父さんが棚の上を見ました。
『見つかる!』
何も言えず、ドキドキして見ていたちびちゃんが思った時、
お父さんが赤と黒のはこをつかんでお母さんに渡しました。
『あ~あ、見つかった…』
ちびちゃんの体の中から力が抜けていきました。
「毎晩、ごはん食べたら三人で部屋にこもってるから何かと思てたら、
これやったんや」
お母さんが“お菓子ばこ”のふたを開けて言いました。
「たくさんあるな~」
お父さんが言いました。
「ずっと、そこに何かあるて思てたけど…!」
「もうわかったし、そっとしといてやったら…?」
「あげたおやつは、この中に入ってたんやな」
お母さんはちびちゃんを見てそう言うと“お菓子ばこ”のふたを閉めて
お父さんに渡しました。
お父さんがそれを棚の上に戻しました。

子供部屋のお菓子会議は続きました。

夏休みも終わってちびちゃんも寄宿舎に帰り…、時間がたくさん
経って…、”お菓子ばこ”はその後どうなったのでしょう…?


-おわり-







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ちびちゃんストーリー22ちっちゃな手

(これは物語です)

『ちっちゃな手』

ちびちゃんは家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くことが
できなかったりするお友達と一緒に園で暮らしていました。

おやつの時間です。
園でのおやつは、大きなお盆に小さなクラッカーやビスケットが
広げられて、ちびちゃんたちはそれを自分の手で一回だけつかみ、
つかめたクラッカーやビスケットがその日の自分のおやつになるのです。
でも、ちびちゃんはいつもちょっとしかつかめませんでした。
お友達はいつもちびちゃんよりもたくさんおやつをつかんでいます。
『なんでだろうなぁ…?』
ちびちゃんは、自分のおやつを見ていつも思っていました。

「上からつかむんじゃなくてね、こうやって下からすくうようにして…」
ある日のおやつ時間、ちびちゃんがいつものようにおやつをつかもうと
おやつが広げられているお盆に手を入れた時、いつもちびちゃんに
優しくしてくれている看護婦さんがちっちゃな手にそっと自分の手を
添えて言ってくれました。
ちびちゃんは、看護婦さんが教えてくれたみたいにやってみましたが、
あまり上手くはできませんでした。
「ちびちゃんの手、ちっちゃいからつかんでも、指の間からこぼれ
ちゃうよね…、いつもおやつ少ないもんね…」
看護婦さんはそう言いながら、みんなに見えないようにちびちゃんの
つかんだおやつの上にもう少しおやつをのせてくれました。
「また練習しようね!」
「うん!」
ちびちゃんは、いつもよりもちょっとたくさんのおやつを前にして、
ニコニコ嬉しそうに応えました。


-おわり-






ちびちゃんストーリー21オレンジ色の椅子

(これは物語です)

『オレンジ色の椅子』

ある日、お母さんが晩ごはんの前に、ちびちゃんをいつもごはんの時に
座っている子供用の“オレンジ色の椅子”に座らせました。

「ちびちゃん、聞いてね」
お母さんが“オレンジ色の椅子”の前でちびちゃんに向かって話し始めました。
「ちびちゃんは、ちびちゃんと同じように歩けない子がたくさんいる療育園
っていうところに行くのよ」
いつもとちょっと違うお母さんの様子に、不安になったちびちゃんは聞きました。
「またお家に帰ってくるの…?」
「ううん、ちびちゃんは、お家を離れてそこでお友達と一緒に暮らすのよ」
お母さんがちびちゃんの髪の毛をちびちゃんのお気に入りの“イチゴの付いた
ヘアゴム”でくくりながら言いました。
「そこで訓練したらね、ちびちゃん歩けるようになるかもしれないのよ、
ちびちゃん歩けるようになりたいでしょ…?」
「うん」
ちびちゃんは、不安でいっぱいの小さな心で小さな声で応えました。
「大丈夫よ、みんなで会いに行ってあげるから、お家に泊まれる日も
あるんだから!」
「うん」
ちびちゃんは、やっぱり不安そうに応えました。
「わかったわね、ちびちゃん!」
お母さんは、元気にそう言うと、ちびちゃんを“オレンジ色の椅子”に
座らせたまま晩ごはんの用意を始めました。

その時に座っていた“オレンジ色の椅子”も、その時にお母さんに付けて
もらった“イチゴの付いたヘアゴム”も、ちびちゃんの心からずっと
消えることはないでしょう…。

数日後、ちびちゃんの療育園での暮らしが始まりました。


-おわり-







ちびちゃんストーリー20ともだち

(これは物語です)

『ともだち』

ちびちゃんは、東京の学校から京都の学校に転校して来ました。
知ってる人が誰もいなくて、言葉も少し違って…。
知らない人と話すのがとても苦手なちびちゃんは、一人ぼっちみたいで
とても不安な気持ちでした。
「野球はどこのチームが好き…?」
「アイドルは誰が好き…?」
「食べるものは何が好き…?」
言葉のイントネーションの少し違う東京からの転校生のちびちゃんに興味が
あるようで、みんなが色んなことを聞いてきてくれました。ちびちゃんはドキドキ
しながら何とか応えましたが、中々上手くお話できませんでした。

ハンディのある子が学ぶこの学校には、勉強の時間の他に訓練の時間がありました。
少しでも体が動きやすくなるように、よつばいの練習や膝立ちの練習をしたりする時間です。
ある日の訓練の時間、ちびちゃんは一人の女の子と並んで壁に向かって
膝立ちの練習をすることになりました。
『あっ、私の近くの席にいた子だ!』
ちびちゃんは思いました。
膝立ちの練習が終わってちびちゃんがちょっと休んでいると、その子が話し
かけてきました。
「私、ゆみ、よろしくね」
「うん、よろしくね!」
ちびちゃんは、ドキドキしないで応えることができました。
「なぁ、次はどっちが長いこと膝立ちしてられるか競争しよか」
ゆみちゃんがちびちゃんに言いました。
「うん、やろうよ!」
ちびちゃんも嬉しそうに応えました。
ちびちゃんとゆみちゃんは、壁に向かって膝立ちを始めました。
ちびちゃんが突然“ガクン”と座り込んでしまい、横で膝立ちをしていたゆみちゃんも
つられて座りこんでしまいました。
「あ~、びっくりした~」
ゆみちゃんが言って、二人で大笑いしました。
思ったより長い間膝立ちがてきて、二人で“凄い”って言い合ったりもしました。

ゆみちゃんは、ちびちゃんが東京に転校してきて初めてできた“ともだち”です。
いつもお話するようになり、よく二人で大笑いするようにもなりました。
学校ことやクラスのこともゆみちゃんが色々教えてくれました。

ちびちゃんは、少しずつ学校にもなれて、話す言葉もいつの間にかゆみちゃん
と同じような言葉になっていきました。


-おわり-








ちびちゃんストーリー19まあちゃんの誕生日

(これは物語です)


『まあちゃんの誕生日』

まあちゃんは二本のまつばづえで歩いている、めがねをかけた男の子です。
まあちゃんとちびちゃんは、とても仲良しです。

二人のお家の方向が違うので、いつもは学校が終わったら、それぞれ違う
スクールバスに乗ってお家に帰ります。
でも、今日は特別な日、まあちゃんの誕生日です。
今日はまあちゃんの乗るコースのスクールバスに一緒に乗って、
まあちゃんのお家に帰るのです。
ちびちゃんは1日まあちゃんのお家に1人でお泊まりするのです。

まあちゃんのお家に着くと、まあちゃんのお母さんがまあちゃんと
ちびちゃんをバスからおろしてくれました。

「お買い物に行ってくるから、ちょっとおるすばんしててね」
二人がまあちゃんのお部屋で遊んでいると、まあちゃんのお母さんが言いました。
「はーい!」
二人は遊びながら、一緒に元気に返事をしました。

しばらく二人で遊んでいると、まあちゃんが言いました。
「何かおなかすいたね」
「うん、すいたね」
「何かあるかなぁ…、見に行こう」
「うん」
まあちゃんとちびちゃんは、よつばいで台所に向かいました。

まあちゃんが膝立ちをして食べ物を探しました。
「これ食べよう!」
まあちゃんが、テーブルにあったさっきまあちゃんのお母さんが
むいてくれた“りんご”の皮を見つけて、そのお皿をちびちゃんが
座っている床に置いてくれました。
「おいしいね」
「りんごの味するね」
二人は、台所の床に座って、お皿にのった“りんご”の皮をシャリシャリ食べました。

「あら、二人で何食べてるの…?」
お買い物から帰ってきたまあちゃんのお母さんが“りんご”の皮を食べている
二人を見て言いました。
「おなかすいたから」
まあちゃんがニコニコ言いました。
「あららそうなの、ごめんね、もう一つりんごむいてあげるから、
二人とも皮じゃなくてこっち食べなさい」
まあちゃんとちびちゃんは、今度は“皮”じゃなくて“りんご”をシャリシャリ
食べました。
「おいしいね」
「うん、こっちの方がおいしいね!」
まあちゃんがニコニコ言うと、まあちゃんのお母さんがお料理をしながら
笑っていました。

その日の夜、まあちゃんのお母さんが作ってくれたおいしいお料理を
食べながら、まあちゃんのお父さんとお母さんと妹とまあちゃんと
ちびちゃんとでまあちゃんのお誕生会をしました。
「まあちゃん、お誕生日おめでとう!」
ちびちゃんは、持ってきたプレゼントをまあちゃんにあげました。
「ありがとう!」
まあちゃんは、やっぱりニコニコ嬉しそうでした。
次の日、また、まあちゃんの乗るコースのスクールバスに乗って、
ちびちゃんとまあちゃんは一緒に学校に行きました。


-おわり-








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