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ちびちゃんストーリー28おみやげ

(これは物語です)

『おみやげ』

ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くことが
できなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました。
そこでは、お兄ちゃんやお姉ちゃんもたくさん暮らしていました。

寄宿舎からお家に帰る日、お父さんのお迎えを待っていたちびちゃんに
お姉ちゃんが、キャンディにクッキーにクラッカー…!、お菓子を少し
づつ分けてくれました。

「ありがとう!」
お姉ちゃんにお礼を言ってお菓子を食べようとしてちびちゃんは、
いいことを思いつきました。
『そうだ!、妹たちにも持って帰ってあげよう!』
ちびちゃんは、お姉ちゃんにお願いしてお菓子を三つに分けてもらって、
一つずつティッシュに包んでもらいました。
「妹さんたち、きっと喜ばはるよ!」
「ほんまに…!」
「うん、ちびちゃんのおみやげやもん!」
ちびちゃんは、お姉ちゃんが言ってくれた“おみやげ”にとてもワクワクして
嬉しくなりました。
『私がおみやげを持って帰ってあげられるんや!』

お父さんがお迎えに来て、ちびちゃんは三つの小さなおみやげを持って
ワクワクお家に帰りました。 
帰り道もちびちゃんは、おみやげのことで頭がいっぱいでした。
『妹たちは喜んでくれるかなぁ…?』

お家に着いて、いよいよおみやげを妹たちにあげました。
「ありがとう!」
妹たちは、ちびちゃんのおみやげを受け取ってくれました。
『喜んでくれてるかなぁ…?』
ちびちゃんが思っていると、ちびちゃんが妹たちにおみやげを渡す所を
見ていたお母さんがポツリと言いました。
「あら、うちでお菓子たべさせてないみたいやん、こんなの持って帰って
きて…」

『な~んだ…』
ちびちゃんのワクワクは、スーッと消えていきました。
『妹たちも私のおみやげなんかいらなかったのかなぁ…』
代わりにちびちゃんの心には、何となく、淋しさが入ってきました。






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ちびちゃんストーリー27プレゼント交換

(これは物語です)

『プレゼント交換』

ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くこと
ができなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました

ちびちゃんと、妹は、双子です。
だから、誕生日も同じです。

「誕生日にプレゼント交換しよ」
ちびちゃんが寄宿舎で暮らすようになって間もない頃、ちびちゃんが
お家に帰っていた時、妹がちびちゃんに言いました。
「うん、やろ」
ちびちゃんが言って、誕生日のプレゼント交換が始まりました。

お互いにプレゼントを作って、誕生日に近い日で、ちびちゃんがお家に
帰っている時に交換しました。  
「はい、これ、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!、私も、これ、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!、見てもいい…?」
「うん、いいよ!」
「あっ、この便せんかわいい!」
「この前、一緒に買ったやつやで」
「ああ、そうか!」

ちびちゃんは寄宿舎に帰って、もらったプレゼントを開けました。
かわいい便せんと妹が描いてくれた絵が入っていました。
『この絵、じょうずやなぁ…』
ちびちゃんは、嬉しくてニコニコしながら眺めました。
手紙も入っていました。
“お誕生日おめでとう!、いつまでも仲良くしようね”
ちびちゃんは嬉しくて、やっぱりニコニコ眺めていました。


-おわり-






ちびちゃんストーリー26 にわとり

(これは物語です)

『にわとり』

ちびちゃんは、ちびちゃんと同じように立って歩くことができなかったり
する子供が学ぶ学校に通っていました。


ちびちゃんは、お昼休みに中庭に出るのがとても嫌でした。
でも、お昼休みには、みんな中庭に出て遊ぶことになっていて、ちびちゃん
も先生に車椅子を押されて中庭に出されてしまうのです。

ちびちゃんがお昼休みに中庭に出たくない理由、それは、学校の中庭で
飼っている“にわとり”でした。
ちびちゃんは、にわとりが怖くて仕方ありませんでした。
にわとりのあの真っ赤なトサカと目、首をふって歩く姿と木の枝のように
細い足が本当に怖かったのです。
にわとり小屋とちびちゃんがいる場所は離れていて、にわとりが小屋に
入っていれば、ちびちゃんは中庭に出ても平気でした。

だけど、お昼休みの中庭では、お友達の男の子が小屋の鍵を開けて、
にわとりを小屋から外に出すのです。
外に出されたにわとりは、中庭を歩き回ります。
ちびちゃんにとってはそれだけでも恐怖でしたが、歩くことのできる
男の子は、にわとりを捕まえようと追いかけ回します。
にわとりは中庭をあちこち逃げ回ります。
『こっちに来ないで!』
ちびちゃんは心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてしまって、体も
固くなってしまいます。
いつちびちゃんの目の前に来るかわかりません。
にわとりを捕まえた男の子は、まだちびちゃんの恐怖に追い討ちを
かけます。
ちびちゃんのいる所の側にある非難用の滑り台の上からにわとりを
滑らせるのです。
「ココココ~」
とんでもない鳴き声でにわとりが滑り台の上から落ちてきます。
ちびちゃんは、もう叫び出しそうです。
ちびちゃんは、車椅子を動かすことはできますが、早く動かすこと
はできませんでした。
「おしっこ!」
ちびちゃんは、側にいた先生に言いました。
先生は、ちびちゃんをおトイレに連れて行き、便器に座らせて
くれましたが、おしっこなんて出ませんでした。
だって、にわとりから逃れるためにとっさに出た言葉ですから…。
先生は、ちびちゃんを便器に座らせたまま中庭に戻り、またしばらく
して便器に座っているちびちゃんを見に来てくれました。
「どう…?、おしっこ出た…?」
「ううん、まだ…」
ちびちゃんは、にわとりが小屋に戻るタイミングを考えていました。
“にわとりが怖いから教室の中に入りたい”なんて言っても、きっと
聞いてもらえないでしょう…。

『おしっこって言ったら、先生が絶対におトイレに連れて行って
くれる、そしたらここから離れることができる』
ちびちゃんは、恐怖の中でとっさにそう思ったのです。

「どう…?、もう出た…?」
「うん、出た」
次に先生が来てくれた時、ちびちゃんは中庭に戻ることにしました。
中庭に戻ると、男の子は教室に戻っていて、にわとりは小屋に
戻されていました。
『あ~、よかった~』
ちびちゃんは心から思いました。
少ししてお昼休みも終わって、ちびちゃんも教室に戻りました。

その後も男の子がにわとりを追いかけ出すと、ちびちゃんはおトイレ
に逃げていたので、ちびちゃんのお昼休みは殆どおトイレでした。
『何で、先生はにわとり追いかけたりするの止めないのかなぁ…?』
ちびちゃんは、お昼休みのおトイレでいつも思っていました。


-おわり-









ちびちゃんストーリー25押し入れ

(これは物語です)

『押し入れ』

ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くことが
できなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました。
そこでは、ちびちゃんより大きなお兄ちゃんやお姉ちゃんもたくさん
暮らしていました。お兄ちゃんやお姉ちゃんは、ちびちゃんをとても
可愛がってくれました。

「私が帰って来るまでに着替えられる…?」
ちびちゃんと同じように車椅子のお姉ちゃんが、自分でパジャマに着替え
ようとしているちびちゃんに聞いてくれました。
「うん!」
ちびちゃんは、張り切って応えました。
お姉ちゃんは、美人でカッコ良くて、ちびちゃんはとても憧れていました。
「よし!頑張りや!」
お姉ちゃんは、そう言って部屋を出て行きました。

体を丸めて、トレーナーを脱いで、もう一度体を丸めて、シャツを脱いで、
パジャマの上着に頭を入れて、右腕を入れて、左腕を入れて、整えて…。
寝転んで、右に左にころころしながらズボンを脱いで、もう一度起き
上がって、押し入れのドアにもたれて、両足を前に投げ出して、
パジャマのズボンに右足を入れて、左足を入れて、もう一度寝転んで、
ころころしながらパジャマのズボンを上げて、整えて…。
ちびちゃんは、お姉ちゃんにほめてほしくて、一生懸命にお姉ちゃんが
帰って来るまでに着替えようと頑張りました。

『できた~』
ちびちゃんは、パジャマ姿でワクワクしてお姉ちゃんが帰って来るのを待ちました。

“カチャッ”
『あっ、帰って来た』
お部屋のドアが開いてお姉ちゃんが入って来ました。
「できたよ!」
ちびちゃんは、張り切ってお姉ちゃんに言いました。
「えらかったな…」
ところが、お姉ちゃんは小さな声でそう言ってくれただけで、ちびちゃんが
楽しみにしていたようにはほめてくれませんでした。
『あれっ…?、な~んだ…』
ちびちゃんは、ガッカリしてお姉ちゃんを見ました。
お姉ちゃんは、車椅子からお部屋のちびちゃんがいる畳に上がり、さっきまで
ちびちゃんがもたれて着替えていた押し入れのドアを開けて、スルスルと
いざって中に入ってドアを閉めてしまいました。

『お姉ちゃんどうしたんやろう…?』
ちびちゃんはその初めての光景を、ただびっくりして見ていました。
し~んとしたお部屋には、パジャマ姿のちびちゃんと押し入れの中に
入って行ったお姉ちゃんと二人だけでした。

“カチャッ”もう一度お部屋のドアの開いて、寄宿舎の先生が入って来ました。
先生は、押し入れを静かに開けて、中にいるお姉ちゃんと小さな声でお話し
をしていました。
お姉ちゃんが、スルスルといざって押し入れから出て来ました。
その時にちらっと見えたお姉ちゃんの目は、何だか真っ赤になって濡れて
いるようでした。
「ちびちゃん、早よ寝えや」
先生は、お布団の上に座っているちびちゃんに声かけると、押し入れを出て、
畳から車椅子に下りたお姉ちゃんと一緒にお部屋から出て行きました。

『お姉ちゃん、泣いてたのかなぁ…?』
ちびちゃんは、お布団に潜り込みながら思いました。
『私に見られたくないから、押し入れに隠れちゃったのかなぁ…?』
眠たくなって来たちびちゃんは、お布団の中で考えました。
『私はよく泣いて怒られるけど、あんなに大きくなっててカッコ良いい
お姉ちゃんでも、泣くことあるんだなぁ…』


-おわり-







ちびちゃんストーリー24鯛の目玉

(これは物語です)

『鯛の目玉』

ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くことが
できなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました。

ちびちゃんが寄宿舎からお家へ帰っていたある日、親戚の人たちと一緒に
ちびちゃんたちのひいおばあちゃんが、ちびちゃんたちのお家にやって
来ました。

ちびちゃんたちはひいおばあちゃんには、もっともっと小さな頃に
会ったきりで、長い間会っていませんでした。
だからちびちゃんは、初めて会うおばあちゃんみたいでちょっとドキドキ
していました。
ひいおばあちゃんは、何だかわからないけど、とても迫力があるように
その時のちびちゃんの目には映りました。
『何かすごいなぁ…』

おばあちゃんは、お膳の一番前の所に座りました。
お膳には、ごちそうがたくさん並んでいました。
大きな鯛もありました。
大人の人たちがお酒を呑みながらお喋りをして、ちびちゃんたちも、
ごちそうを美味しく食べていました。

おばあちゃんが鯛の乗ったお皿を自分の方に持っていきました。
ちびちゃんは、何となくおばあちゃんの方を見ました。
おばあちゃんは、鯛の目玉の所にお箸をさしました。
『えっ…?』
ちびちゃんは、おばあちゃんから目が離せなくなってしまいました。
おばあちゃんは、そのまま鯛の目玉をくりぬいて、口の中に入れて、
美味しそうに食べてしまいました。
『あっ、目玉食べはった…!』

その日、寝る前の子供部屋は“鯛の目玉の話”で持ちきりでした。
「目玉、食べはったよな!」
「うん、びっくりした!」
「目玉、くりぬかはったよな!」
「うん、何か迫力あったよなぁ…!」
「すごかったなぁ…!」

その日以来、ちびちゃんたちは、ひいおばあちゃんの話をする時、
“鯛の目玉食べはったおばあちゃん”と言うようになりました。

寄宿舎に帰ったちびちゃんは、寄宿舎の先生やお兄ちゃんやお姉ちゃん
に“鯛の目玉食べはったひいおばあちゃん”の話をとても得意げにしていました。


-おわり-








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