忍者ブログ

カレンダー

06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

リンク

カテゴリー

フリーエリア

最新CM

最新記事

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

バーコード

RSS

ブログ内検索

アーカイブ

最古記事

P R

[30]  [31]  [32]  [33]  [34]  [35]  [36]  [37]  [38]  [39]  [40

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

物語 手のひら5

(これは物語です)

『手のひら』5

データ収集から1週間後、あの女性と一緒にアンドロイドヘルパーが
私の家にやってきました。

おじぎをしている女性の隣でもう1人女性がおじぎをしています。
青いジーンズをはいて、赤いセーターを着て、長い髪を後ろで1つに
束ねて…、髪の毛も表情も肌の感じも人間です。
「こちらがあなたに利用して頂くヘルパーです」
私は女性に聞き返しました。
「アンドロイドの…、ですか…?」
「はい、できるだけ人間に近づける開発を進めています」
女性はあの笑顔で私に微笑みかけてくれました。
「よろしくお願い致します」
女性の隣りで私に向けるその笑顔は、とても女性に似ていました。

「今日は、まず、ヘルパーの名前を決めて頂きたいのです」
「えっ、決まっていないんですか…?」
「ええ、あなたにご利用頂く間の名前を決めて下さい」
「一週間だけの名前をですか…?」
「ええ、そうです」
「その後は、どうなるんですか…?」
「次にご利用頂く方のデータと入れ替えて、その方にまた
新しい名前を決めて頂きます」
女性は何でもなく柔らかい笑顔で応えました。
私の心に『そんなものなのか』という言葉が浮かんできました。
「それじゃあ、ミュウさんでお願いします」
「ミュウさん、今日からの名前です、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
女性の言葉にミュウさんが笑顔で応えました
「名前は登録されました」
女性は言葉を続けました。
「この間頂いたデータも登録済みです、後は生活の中であなたが
ミュウさんに登録して下さい、1つ1つ登録して頂けばミュウさん
は、あなたのヘルパーとして成長します」
「登録って…、どうすれば…、私にできるんですか…?」
「ええ、、さっきのようにミュウさんに伝えて頂けば登録完了です、
登録する時は必ず最初に名前を呼んで下さい」
「解りました」
「もう一つ、ミュウさんが充電できる部屋を作って下さい」
女性はミュウさんに携帯電話の充電機のようなものを手渡しながら
言いました。

私は1週間の通常のヘルパーさんをキャンセルしていました。

ー“手のひら6”へ続くー










PR

物語 手のひら4

(これは物語です)

『手のひら』4

○○○から昨日と同じ社員の女性とヘルパーが再び私の家に
やってきました。
「今日はあなたの外出時のデータを頂きます」
女性の声と笑顔は、今日も柔らかでした。
「今日もよろしくお願いします」
私が挨拶を済ましたところで、女性がコートも脱がずに言いました。
「すぐに出られますか…?」
「はい、大丈夫です」

様々な場面での車椅子の押し方、扱い方のデータをとりました。
高い段差や傾斜の下ろし方や上り方、様々な道の進み方や様々な
交通機関の利用のデータ、レストランなどに入って食事をしたり、
お店で買い物をしたりのデータもとりました。
最後に病院にも行って簡単な治療を受け、今日のデータ収集を
終えて私の家に戻りました。

女性は、昨日からの全てのデータをパソコンに細かく入力して
いました。
「このデータをあなたに使って頂くヘルパーに登録致します」
「アンドロイドのですか…?」
「はい、そして後日私が、あなたのデータ登録が完了しました
ヘルパーをお届けにまいります」
「解りました」

「それから…、オプションを1つお申込み頂けるのですが…」
「えっ、オプションって…?」
「1日の支援時間の終了時、通常、ヘルパーは軽く会釈をさせて
頂きます、オプションをお申込み頂きますと、その動作を変更
させて頂くことができます、通常ですと追加の料金を頂くの
ですが、キャンペーン中の今でしたら、こちらも料金は頂きません」
「そんなこともできるんですね」
「はい…、どうなさいますか…?」
「じゃあ申し込みます」
「解りました、では、“握手、頭ポン、ハグから”1つお選び下さい」
「じゃあ、“頭ポン”でお願いします」
私は、言葉の響きで選びました。
「解りました、では、オプションを設定させて頂きます」
「いつのお届けになるかは、早めにこちらからご連絡致します」
「はい、解りました、よろしくお願いします」

私は、○○○からの連絡を待つことになりました。

ー“手のひら5”へ続くー










物語 手のひら4

(これは物語です)

『手のひら』4

○○○から昨日と同じ社員の女性とヘルパーが再び私の家にやってきました。
「今日はあなたの外出時のデータを頂きます」
女性の声と笑顔は、今日も柔らかでした。
「今日もよろしくお願いします」
私が挨拶を済ましたところで、女性がコートも脱がずに言いました。
「すぐに出られますか…?」
「はい、大丈夫です」

様々な場面での車椅子の押し方、扱い方のデータをとりました。
高い段差や傾斜の下ろし方や上り方、様々な道の進み方や様々な交通機関
の利用のデータ、レストランなどに入って食事をしたり、お店で買い物を
したりのデータもとりました。
最後に病院にも行って簡単な治療を受け、今日のデータ収集を終えて私の
家に戻りました。

女性は、昨日からの全てのデータをパソコンに細かく入力していました。
「このデータをあなたに使って頂くヘルパーに登録致します」
「アンドロイドのですか…?」
「はい、そして後日私が、あなたのデータ登録が完了しましたヘルパーを
お届けにまいります」
「解りました」

「それから…、オプションを1つお申込み頂けるのですが…」
「えっ、オプションって…?」
「1日の支援時間の終了時、通常、ヘルパーは軽く会釈をさせて頂きます、
オプションをお申込み頂きますと、その動作を変更させて頂くことができ
ます、通常ですと追加の料金を頂くのですが、キャンペーン中の今でしたら、
こちらも料金は頂きません」
「そんなこともできるんですね」
「はい…、どうなさいますか…?」
「じゃあ申し込みます」
「解りました、では、“握手、頭ポン、ハグから”1つお選び下さい」
「じゃあ、“頭ポン”でお願いします」
私は、言葉の響きで選びました。
「解りました、では、オプションを設定させて頂きます」
「いつのお届けになるかは、早めにこちらからご連絡致します」
「はい、解りました、よろしくお願いします」

私は、○○○からの連絡を待つことになりました。

ー“手のひら5”へ続くー











物語 手のひら3

(これは物語です)

『手のひら』3

電話から3日後、○○○から社員の女性が1人とヘルパーさんが2人、
私の家にやってきました。

「アンドロイドヘルパーのお申し込みありがとうございます」
社員の女性が私に頭を下げると、2人のヘルパーさんも一緒に頭を
下げてくれました。
女性は柔らかな笑顔で私に微笑みました。
「あの~、全く無料なんですか…?」
私は、女性のその笑顔に安心して聞いてみました。
「ええ、だからと言うのも恐縮ですが、この1週間のあなたの
データを我が社に頂きたいと考えておりまして…」
「解りました」
「今後の開発に生かせて頂きますので、よろしくお願い致します」
女性は、もう一度私に柔らかな笑顔を向けてくれました。
私は、女性の笑顔に癒されていく心を感じました。

「今日は、あなたの介助のデータを頂きます、お話を伺ったり、
こちらのヘルパーさんに少しあなたの介助をして頂きますが、
よろしいでしょうか…?」
「はい、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願い致します」
女性が言った後で、初めてヘルパーさんの声が聞こえてきました。
「よろしくお願い致します」

「お時間の方は大丈夫でしょうか…?」
「今日は3時間ぐらいということだったので、調整させて頂きました」
「ありがとうございます」
私は2日間、昼食後の○○○との約束の時間に支援にきてくれる予定
のヘルパーさんをキャンセルしていました。

データ収集が始まりました。
まず、私の障害の詳細、居宅での私には何時から何時間どんな支援が
必要か、介助の時には何を気をつけなければならないか、それぞれの
場面での介助の方法を聞かれました。
それから、ベットのある寝室に移動して、私の体の抱え方、洋服の
着脱の仕方を私が口頭で伝え、実際にヘルパーさんにやってもらって、
1つ1つの動作を確認していきました。

「これで今の時点でのあなたの介助のデータは収集できました、
また明日、同じ時間に伺いますので、よろしくお願いします」
女性は、また私に柔らかな微笑みを向けてくれました。

ー“手のひら4”へ続くー









物語 手のひら2

(これは物語です)

『手のひら』2

あの朝にチラシを隅々まで読んだ私は、そこに書いてあった会社名と
電話番号を自分で操作出来るように工夫したスマートフォンに登録
していました。

「おはようございます」
「こんにちは」
「こんばんは」
私は、玄関の鍵が開いていつもの挨拶が聞こえる度に、小さくため息を
つくようになっていました。
ヘルパーさんがきてくれなければ、私の生活は成り立たないし、命に
だって繋がるということは十分に解っているつもりです。
だけど、ため息が出てしまうのです。

“アンドロイドヘルパーお試しキャンペーン開催中”
“あなたの望む支援で、あなたの時間はあなたのものに…。
あなたの心の疲れとイライラを私たちと一緒に減らしましょう。
あなたの支援データの登録で、あなただけのヘルパーさんに…。
開発中につき、今なら1週間、無料でお試し頂けます。
お気楽にご連絡下さい。”

私は、スマートフォンに登録した番号に電話をしました。
「お電話ありがとうございます、○○○でございます」
何度かのコールの後、柔らかな女性の声で応答がありました。
私は、何だかホッとして、迷いなくその声に言いました。
「アンドロイドヘルパーを利用したいのですが」
「はい、ありがとうございます、それでは、こちらから幾つかのご質
問させて頂いてよろしいでしょうか…?」
「はい」
氏名、性別、年齢、住所、電話番号、障害の程度、私がアンドロイド
の利用者本人か、現在どの程度の支援を受けているか、今回アンド
ロイドにどこまでの支援を望んでいるか、私は質問に応えました。

「アンドロイドに登録するためのあなたの介助方法などのデータが
必要なのですが…、よろしいでしょうか…?」
「あっ、はい」
「それでは、まず、あなたにお会いできますでしょうか…?」
「はい」
「居宅での支援と外出の支援をご希望でしたら、データの収集に2日間
必要になりますが、よろしいでしょうか…?」
「はい、大丈夫です」

ー“手のひら3”へ続くー










忍者ブログ [PR]

graphics by アンの小箱 * designed by Anne