(これは物語です)
『そら』
あなたは、「そら」を飛びたいと思ったことがありますか…?
あなたは、「そら」を飛んだことがありますか…?
ミュウちゃんは、「そら」を飛んだことがあります
そらには、青があって、黒があって、夕焼けがあって
どこまてもどこまても永遠みたいに続いています
雲があって、翼をつけた鳥が飛んでいて…
ミュウちゃんは、地上に生まれる前、「そら」に生きていました
ミュウちゃんは、翼をつけて飛んでいました
ミュウちゃんは、「そら」から見える地上に憧れていました
地上には、たくさんの色があって、たくさんの匂いがあって・・・
ミュウちゃんは、「そら」を自由に飛んで「そら」に生きていました
「そら」は、青になって、雲が浮かんで、夕焼になって、黒になって…
また、青になって、雲が浮かんで、夕焼になって、黒になって…
それを何度も何度も繰り返しました
ミュウちゃんは「そら」での命を終えました
ミュウちゃんは、憧れていた地上に生まれました
幼いミュウちゃんは、ママにブランコに乗せてもらいました
ママは、ブランコに乗ったミュウちゃんの背中を押してくれました
雲が浮かんでいる青い「そら」に向かって力いっぱい…
ミュウちゃんは、体が“フワ~”となる感じがしました
“あれっ…?”ミュウちゃんは、何だか懐かしい感じがしました
近づいてきた雲も青い「そら」も懐かしい感じがしました
人が「そら」を飛びたいと思うのは、懐かしさなのかもしれません
あなたもあの「そら」を自由に飛んで生きていたのかもしれません
人は、「そら」に憧れます
ミュウちゃんだって、「そら」で生きていたことを覚えてはいません
ミュウちゃんだって、「そら」を飛んでいたことを覚えてはいません
人は、「そら」に憧れます
あなたは、「そら」を飛びたいと思ったことがありますか…?
あなたは、「そら」を飛んだことがありますか…?
-おわり-
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